著者のデビュー長編『パーフェクト・ブルー』でおなじみ、元警察犬のマサが語る五つの事件。探偵事務所の用心犬、また蓮見家の愛犬としての日常や、ご近所の顔役ぶりを発揮する単独捜査行など、興味の尽きない短編集。
父親で所長の浩一郎、長女で短大卒業後、父親の許で女性調査員として働き始めた加代子、次女で美術の方面に進みたい希望を持っている高校生の糸子、それに前作で蓮見一家と親しくなった好青年、諸岡進也…お馴染みの人たちが遭遇する五つの事件。
本書は、そこに登場する様々な人間たちの実像に、あくまでも真っ向から立ち向かおうとする彼らの活躍をマサの目を通して語る、初短編集である。